プロフィール

barunballoon

Author:barunballoon
バルン・バルーンは、仙台に住む学生や社会人が、今話題になっているトピックを、若者の視点から、わかりやすく、日替わりでお届けするブログです。

[月]ムービー
[火]投資
[水]適当学
[木]オレ様
[金]フードビジネス
・・・・コミュニケーション
[土]書評
[日]スポーツ

最近の記事

カテゴリー

月別アーカイブ

最近のコメント

最近のトラックバック

カウンター

ブロとも申請フォーム

--/--/-- (--) --:--
スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2007/10/24 (Wed) 23:40
【適当学(水):第25回】 アル・アル・ケッチァーノ

stoneです。
今回は少しだけ趣向が違うかもです。


先日、スローフード、地産地消の先駆け、そして予約の取り難いレストランの代名詞、アル・ケッチァーノへ、ランチに詣でた。


一見すると、気付かずに素通りするかもしれない店の佇まいは、あくまで、今、そこにいる人へとそのまなざしは向けられる。


07年7月7日に出来たばかりのカフェ&ドルチェ、イル・ケッチァーノに落ち着く。


正午前、奥田シェフはまだ不在。キッチンカウンターには、マッシュルームや、あの藤沢カブが積まれている。

i


kabu


と、間もなく、幾つかの野菜を手にシェフの登場。

朝採れたてとか、そういうレベルではなく、今、野山を駈けずり回って採って来たところらしい。

そして、無造作にその葉を客に手渡す。

そんなシェフの飄々とした調子に乗って、料理が運ばれ出す。ほんの少し肉厚を残してスライスされたマッシュルームが、得も言えぬ芳醇な香りを醸し出す。

食材の一番良い調理法は決まっているのか?というような質問に、シェフは不意にマッシュルームの積まれたボールを寄越して、1つ取って見て下さいと指示。


それは、彼らが教えてくれる。

知りたいと思って、よく見てみる。上からではいけない。必ず同じ目線に合わせなければそれは見えない。

それから、教えてくれと願ってかじってみて下さい。

なるほど、甘くてしっかりした味がする。生のマッシュルーム、いやキノコがこんなに美味いなんて…最早、衝撃的ですらある。


そして、GREEN SEATなる席には、ずっとその生産者の方がしたたかに控えて下さっている。何よりも、作物を愛し、育てる姿勢と、常に新しいコトに挑戦しようという好奇心。そういった想いが、作物の隅から隅まで行き渡っているから、うまみが詰まって、また何とも瑞々しい。農業が本来的に、いかにクリエィティヴな営みであるかを思い知る。

生産者の想いを、十二分に抱きとめ、食材へと向かうシェフ。それを単に料理というには余りにも崇高に、食材の声(と、便宜上に呼ぶが、知覚できるあらゆる刺激)に耳を傾けて、最善の手数で、最善の皿へと仕上げていく。

例えば、優れた彫刻家は、その木の中にある像を掘り起こしているに過ぎないという。全く以って、それと同じ意味合いのコトが、シェフと食材の間で起こっている。庄内という大地を司るかのように、次々と奇蹟のような品々を贈り出していく。

『奇蹟のテーブル』とは、紛れもない形容であったのだと知る。


殆どの皿に、コレでもかと言わんばかりのマッシュルームがふんだんに使われている。それが全然、嫌味ではなく。本当に美味いから食べてくれ、と言わんばかりに、スライスされただけのマッシュルームが、引き立て引き立てられ存在するコト、生産者が見守り、シェフが極上の舞を振付けるという意味で。ややもすれば、欲望が生理的な現象に遮断されてしまうほんの少しの、例えるならば、目が覚めるほんの少し前の幸福のようなギリギリのところまで、マッシュルームの美味さを、イメージだけではなく、はっきりとした感覚として、いやむしろ意思として、我々に永遠に焼き付けていくのである。それは最早、庄内の食材の幸福な呪縛ですらある。

ハーブとオリーブオイルを除けば、雑炊のごとき、ふぐのリゾット。いわゆる、ご飯とハーブがここまで合うとは、我々、日本人は口で言われただけで理解できるだろうか。食材の声は、食の文化をも超える。

白身魚を隠してまだ物足りないように盛られるルッコラとその上から最後に掛けられるスープ。一見、ひどくシンプルな一皿に見える。目の前に来たとき、意識よりも先に嗅いだ匂いに、笑みがこぼれる。匂いを嗅いで、笑いがこぼれるコトなど、今まであったろうか。美味い不味いではなくて、それ以前に、感覚が勝手に笑う。感情ではなくて、感覚が捉えた料理は最強である。口に入れると、見た目から想像も付かず、深い味が漂う。聞くと、スープにマッシュルーム、ハーブが絶妙に織り込まれているらしい。

そして、満を持して、登場する最後の料理、「藤沢カブと山伏ポークの焼き畑風」。在来種である藤沢カブが、シェフによって見出された新しい夢の世界である。しかし、それは逆説的に、焼き畑に還るという意味で根源的な形でもある。

焦げ目がコショーの代わりです。

豚肉を食べて、その後にカブを含んで下さい。1+1が6になります。

奇蹟のテーブルはメインディッシュで、ココ一番のミラクルをやってのける。

そりゃ、このシェフの手に掛かったら、瀕死のカブも復活する。こんな美味いモノ絶やしてなるモノかと。

最後の最後、心地よい満腹感に改めて最後の刺激を添えるドルチェも専門であるシェフらしく、甘さを絶妙に、そのためにローストされた濃いコーヒーとのハーモニーが愛おしい。


皿の上は、無限の宇宙でもあり、食べ尽くすのが惜しく、また、葉の切れ端、肉の小片、塩の一粒、ソースの水滴、ミリメートル以下のレベルまで愛おしい。ココでは、必然的にスローな時間が流れざるを得ない。ファーストに食べるコトなど、愛する人の急逝のようにすら哀しげなコトなのである。


予約の取り難いレストラン、アル・ケッチャーノには、GREEN SEATという生産者優先席が設けられている。その場にいれば、逆にわかるが、それは至極、当たり前のコトに思えた。

そして、ふと気付くと、向こうには、作業服でヘルメットをコート掛けの掛けたおっちゃん、談笑しているおばちゃん。


ココは、超高級レストランでも何でもない。優れた土地の食材を、その声を聞くコトの出来る料理人が、それにしたがって調理して出す場でしかないのだ。過剰なデコレーションはドコにも必要ない。


本当に、尊敬すべき人というのは、身近にしかいないのではないか、と最近、思うようになった。それ以上は、夢でしかない。


今回のメニューは、コチラを是非ご覧下さい。

また、今日の様子とシェフに驚嘆する私のアホ面は来月のソトコトをお待ち下さい。


<今週の1枚:マーシュ>
別名、コーンサラダ

mashu

スポンサーサイト

<< SO WHAT??? vol.21 -『トンガって本気』- | ホーム | 【適当学(水):第24回】 メガネのJOHN >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


魚介のリゾット・ペスカトーレ

菊の種類と思いますが イタリアの魚が豊富な港町で漁師によって作られ始めました。ペスカトーレとは漁師という意味。漁師が売れ残りや雑魚をまとめてトマトソースで煮込んだものがはじまりと言われています。イタ...


 BLOG TOP 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。